小さい顔に。


切れ長の綺麗な目。


瞳が真っ黒で、キラめいてる。


びっしり生えたまつ毛。


しかも長い!


綺麗な肌。


ちょっと薄くて形のいい唇。


耳に光る大きいダイヤのピアス。




これって・・・。

こんな完璧で、隙のない男の子。

あたしは、一人しか知らない。




「あ・・・綾瀬涼・・・」


あたしはいつものくせで、呼び捨てにしてしまう。


あ・・・涼さまって言うんだっけ?


口を押さえても、もう遅い。


あたしは、上から思いっきり、睨みつけられた。




「は?
君、命の恩人を呼び捨てって、どういう事?」

綾瀬涼の髪の雫が、あたしの顔に落ちる。