狼クン達のオリの中【完】

あたしが見つめる中。



制服のジャケットを着ながら、綾瀬涼は後ろを振り向き、そして蘭ちゃんに言った。



「ごめんね、木下さん。
今日・・時間あるかな?
球技大会の相談をしたいんだけど・・・」



綾瀬涼の瞳は、蘭ちゃんにだけに注がれていて、あたしをチラリと見ることもなかった。




昨日の事は、あたしの夢だったって・・・事?


妄想だった・・・って事?


これが現実なの?


あたしの膨らんでいた心は、一気にしぼみ、ぺしゃんこになった。




なーんだ。

あたし。

勘違いして、空回りしてただけだったんだ。



あたしは軽くため息をついて、立ち上がった。

そして、ドアの所で待つ西園寺くんに歩み寄った。