「君さ・・・。 オレの言うこと聞けないわけ?」 連れてこられた部屋の中。 しりもちをついて後ずさりするあたしを見下ろす、綾瀬涼。 制服のネクタイを引っ張って緩め、意地悪そうに冷たく微笑む。 「君に拒否権はないと思うけど? 貧乏ちゃん?」 あたしの痛いところをつき、眼鏡をはずす。 げ! かっこよすぎる。 学校でははずしたことのない眼鏡。 学園で、生・綾瀬涼を見たのは、あたしだけ? よだれが出そうなのをグットこらえ、このチャンスにじっくり観察する。