ティーン・ザ・ロック







彼の家は、森の中にあった。


――いや、ちょっと違うか。塀で囲まれた大きな敷地の中に、鬱蒼と木々が地に根を張っていて


その丁度真ん中に大きな豪邸が立っているんだ。



その佇まいだけで気圧されているのに、更には。



「……悠馬様。奥方様と旦那様が心配なされておりました。…昨夜は何処へ」



「…その事で話があって戻って来た。風馬はどうしている?」


「風馬坊ちゃまは、御学友と約束があるとお出かけになりました」



……そんな会話を門先で。しかも全身黒づくめの強面で、体格は熊よりもがっちりしている男の人とし始めるもんだから、悠馬の側に、置物の様に固まってしまっていた。



「……行こうか、葉瑠」


「え?あ…うん」



多分門番なのだろう。側を通り過ぎる時に、サングラス越しにあたしを凝視しているのを肌で感じる。



今まで特に意識してなかったけど、悠馬って本当にお金持ちの家の人なんだ…。



「…ごめんね」


「え?何が?」


「いや……。今の人…怖かったかな、って」



…怖かったわけじゃないけど。ただ、なんとはなしに委縮してしまったというか…。


うん、何て言ったらいいのか分かんないや。



「…大丈夫だよ。あの人は、門番さん?」



「うん、まぁそんな感じかな。…理事長が雇ったボディーガード兼門番って言った方がしっくりくるかも」



「はぁ……。何と言うか、凄いね」


「…理事長が、ね。僕は関係ない」



……何だろう、なんか…気まずい。