ひとしきり笑って、浮かんだ涙を指先で拭う。



こんなに笑ったのっていつぶりだろう…?



「あのね、あたし…この子は幸せにしてあげたいの。

勿論、あたしも要さんもまだ10代で、経済的にも精神的にも今まで以上に大変になる事は分かってる。


でも、やっぱり愛情が一番だから。


…知ってる?親になるのって、子どもが産まれたときじゃないんだよ…。


初めてその存在を感じた時だって、あたしは思ってる」



マザー マザー。



貴方もそんな事を思って居ましたか?



私がお腹に居る時に。



初めてあたしを腕に抱いた時。




初めてあたしに出会った時…。





マザー・マザー。





貴方は、貴方達は





本当に私の誇りです。







「幸せに、なってね……」




「勿論」




留美の優しい眼差しは、母親のそれだった。