今日は厄日なのだろうか。

やることなすことが全て、裏目に出ている気がした。


今朝の朝番組の星座占いでは、タカヤの星座は良くも悪くもなかった筈だけど、とぼんやりと思い出す。


タカヤが見ているわけではなく、同じ星座の女の子が、確かそんなことを言ってたのだ。


タカヤはそれを、昼休みに同席になったときに知った。


そんな下らないことを考えていると、彼女はその間に電話の向こうで次長と二言三言言葉を交わし、その後タカヤに向かって話しかけた。


『次長が言うには、後ろの通用口、なんだか故障してるみたいなんです。
前に回って下さい、開けますから』


タカヤは、携帯越しでは見える訳もないのに、つい会釈をしてしまう。


「……わかりました、ありがとう」


電話を切ったタカヤは、指示通り、表側のATMコーナーにある時間外顧客用へと向かい歩き出した。