ナツの言ってることは、綺麗で、ちょっぴりキザ。


それでもって……切ない。


ナツの言葉は、決して望んでも最後には交わることのない、私達のひと夏限定の恋を自覚させてるみたい。


一緒にいればいるほどナツが心の中で肥大している私にとって、ナツの言葉は刻だよ。悲しくなるよ。


「この夏が終わったら、私達を侵す微熱は醒めちゃうのかな」


「さあ……ね?今は先のことは考えないで、楽しもう、冬花」


私の問いに笑顔で答えたナツ。だけど、その笑顔はどこか哀愁が漂っていて、切ない気がした。


こんなの狡い。ナツが全部言い出したことなのに、狡いよ。


ナツが私と同じ気持ちで、時間が止まって欲しいなんて思ってるわけないのに、自惚れちゃうよ。