「お父さん、事の重要さ、分かってる?今就職氷河期なんだよ?」


「大丈夫だって。とにかく、明日の便で行ってもらうからよろしくな?な!はい決定!」


強引だ……強引過ぎる。こんな父親ありえない。


と思っていても、私はお父さんと二人暮らし。バイトもしてないし、お父さんには逆らえない。


これで私が就職逃したらどうするつもりなんだろう……。娘がヒキニートになっても構わないのだろうか。


なんて気が重くなりながら、私は現実逃避するかの如く缶に残っていたチューハイを飲み干した。


明日なんとかはぐらかして、沖縄行きは回避しなきゃ。


なんて、その時は強く強く思っていたのに……。