【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

やりたいことが見つかって、目の前が輝いて見えるようになった。沖縄に行く以前よりも、笑えるようにもなった。


そして……ナツとの約束通り、素敵な恋もいくつかしたんだよ。


でもね、その全てが、ナツとのひと夏限定の青春には到底敵うことはなかった。


無理に恋なんかしてない。本当に好きだった。ただ、ナツが最強だったんだ。ラスボスよりも強い存在になっちゃったんだよ。


恋もして、夢も叶えて、私は高校の英語の教諭になった。


三年間、新人だけど、担任を受け持ったんだよ。


あの頃の私までしか知らないナツがそれを知ったら、きっと驚くだろうね。


喜んでくれるだろうか。そして、あのゴツゴツの掌で、褒めて撫でて、めいっぱいに甘やかしてくれるだろうか。