【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−




「くっさ!何!?酒臭い!」


八月最後の日。私が帰る場所に戻る日。


相変わらずぼろい軽トラに乗ったお父さんが、一月ぶりに会う娘に言った一言。しかもしかめっつらで。


見送りには、ナツだけが来てくれた。アヤとカズは、ナツを見送りに出すために、店番をしてくれている。


「まあでも、ちょっとはマシな顔になったじゃん……流石、アオ先生だな」


「やめて下さい春井さん。もう俺は、ただのしがないクラブハウスのマスター兼寮父のナツですよ。アオ先生じゃない」


黄色と赤のアロハシャツに黒いタンクトップ、白の短パンという相変わらずチャラい感じのナツ。お父さんは、この姿のナツにも動揺ひとつしていない。