【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

事情が良く分からないままお店まで行き、扉を開くと、そこにはいるはずのない沢山の人で賑わっていた。


ナツの飲み仲間の近所のおじさん達や漁師のオジイ。アヤはその男だらけの中で、バリバリとその全員に指示を出していた。


「おっちゃん!ビールの籠はもうちょいはけて!酔ったら蹴るだろ!オジイはその持ってきてくれたイカを捌いて!このままじゃ踊り食いするハメになるよ!」


アヤはいつも忙しい時間帯、ナツ以上にテキパキと動いて指示を出せる人。


この一ヶ月、沢山救われたし、沢山学んだことを、私は忘れないよ。


「お!ナツさん!ってかフユまで来ちゃってるし!このバカズ!フユは準備が終わるまで入れんなっつったろ!」


「馬鹿とカズを繋げるなんて上手い……じゃなくて酷い!アヤさんの意地悪!」


二人の相変わらずの言い合いを私はしばらく傍観していたけど、ふと疑問に思い、口を開いた。