【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

歌い出したのは、私も聞いたことがある、有名な島唄から。


ナツの、歌うと海みたいに透き通る声と、三線とはまた違う味のある胡弓の音が、海で遊んでいた人達を引き寄せる。


一曲終わる頃には、ナツの周りには人が沢山集まっていた。


「あれまー……ホントにプチリサイタルになっちゃった。まあいっか。沖縄に関連する曲で、良かったらリクエスト下さい!」


ナツは困った顔で笑いながら、集まった人達に言う。


「じんじん聴きたい!」


「島人ぬ宝とかイケますか?」


集まった人達から次々に曲が出てくる。ナツは、その全てのリクエストに順番に応えた。


ナツの周りに人がいて、ナツの笑顔を中心に光が更に増している。