【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

ナツのご飯を食べて、一緒に皿洗いをして、そのあとは、ナツが胡弓をケースに持ち出した。


「近所の海、今から行かない?やっぱり沖縄の海を冬花に覚えていてほしいから」


「うん。行く」


なんで胡弓を持って行くんだろう。と少し疑問に思いながら私は頷く。


ナツは爽やかに笑うと、履き慣れたビーサンを右足から履く。


私はナツが左足を引っ掛ける前にそのビーサンに足をねじ込む。


「何、どうしたの?ちょっと可愛いんだけど」


「いや、特に意味はないけど。ナツ、足おっきいなって思ってね」


私は左足を上げて、大きなビーサンをぷらぷらと振る。


それは、私の足には有り余る程に大きなサイズ。アオ先生だった時のナツだったら、きっと気付かなかったこと。