【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

下の階に行くと、早速ナツは調理に取り掛かる。


「ナツはさ、アオ先生時代は栄養失調になるくらいだったから、料理は出来なかったんだよね?」


「出来なかったよー。お米の炊き方すら良く分かんなかったんだけど、こっちに来て修業したんだ。秘密の修業をね」


結局最後まで、ナツという人がどんな人なのか分からないままだったな。


けど、悔しいけど、私はそんな、キラキラしてて、一見チャラいのに真っ直ぐ芯が通ってて、少し謎めいたナツの、全てが好き。


ナツが似合わない花柄のエプロンを着けて料理をする姿も、全部全部大好き。


だから、このひと夏のことを絶対忘れないように、私は可能な限りに脳に全部を焼き付けよう。