「凄く嬉しいし、俺は五年も想って来たからこれからもそうだけど、冬花には……冬花には、いっぱい素敵な恋をしてほしいな」


「なんで、そんなこと言うの?そんなのいや」


いいよって言ってくれるのを期待していたのに、思わぬ返答に私は更に悲しくなる。


ナツはまるで子供をあやすように私の頭を一定のリズムでぽんぽんとする。


「向こうに戻って俺を忘れろなんて言わないよ。そんなの俺だって嫌だし。でも、素敵な人が現れたら、恋してほしい。それでも俺を好きでいてくれるなら、それなら……」


「それ、なら?」


私がナツを見上げると、ナツは星空よりも煌めく瞳を細めた。


その瞳と、顔面に幾重にも飾られたピアス達が、私の顔をじっと見つめる。