【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−

外に出て、アスファルトに踏み出すと、ナツは反射的に飛び上がる。


「あっつ!今日間違えてカズのビーサン履いて来たから親指と踵が出るんだよね。あいつ足ちっさいんだもん」


「あー、カズ、足小さいよね。私とあんまり変わらないもん。ってか、全体的に小さいか」


二人で他愛もない会話をしながら歩く道。


ふわっと優しい香りがした気がする。本当に気のせいだと思うけど。


そんな私達のゆっくり流れる時間は、ちょっとした事件で壊れる。


「……うわあ!ちょっナツ!」


目の前には……蛇。



赤い蛇にビビってしがみつく私に、ナツは喉仏を上下させて笑った。


笑い事なんかじゃない。毒持ってたらどうするの?ナツには危機感が足りていない。