「ナツ、お子様がコンビニに行くらしいから、付き添って来るね」


台所で皿洗いをしているナツに言うと、炊事なんて不釣り合いなピアスだらけの顔が振り返る。


「おーう。俺が手離せないから助かる。よろしくね」


「はいはい。ホント、ナツはカズに甘いなぁもう」


私はナツの言葉に軽く返事をすると、ひょろひょろな細身のカズの背中に追い付くべく、小走りで玄関に向かう。


ビーサンを足に引っかけ玄関のドアを開くと、夜の外は八月も後半だというのに暑い。


「もわぁ、暑くて溶けそー」


「カズがコンビニって言ったくせに。まぁ、カズホントに溶けちゃいそうな見た目だよね」


外界の温度に動くことに萎えながらも、私とカズは夜の外に駆り出した。