「手に入れたいモノが手に入らない。だったら、それ以外は全部同じなの。誤魔化して自分を騙して偽って、そうやって次に進まないといけない。」 傷つきたくない。 誰でも同じでしょう? 「尤も、幸福を手の内にしたアナタ‘達’には分からないでしょうけど。」 階段を上って自分の部屋に入る。 扉に背をもたれたままズルズルと落ち、座る。 …どうしてあたしは人を傷つけてばかりいるんだろう。 もっともっと優しくなれないんだろう。 自分のしたい事と出来る事の距離がもどかしくて苛々する。