その瞳はこっちを向いていて。 「…奢ってくれるの?なら一緒に回る。」 慌てて目を逸らした。 可愛げのない言葉で。 頬に冷たい雫が落ちる。 「降ってきた。」 不機嫌そうに溜め息を吐いた雪比良。 「折り畳み傘は?」 「持ってたら早く帰ったりしねぇよ。」 「尤も。」 そんな会話を続けるうちに、雨はどんどん酷くなっていく。 鞄の中身は大丈夫かもしれないけど、服が濡れる。 …服が濡れたら風邪をひく。 悪循環を考えながら、鞄を抱きしめる。 「寄ってけ。風邪ひく。」 心臓が保たなさそう。