私が実際にQuartetに会ったのはクランクインするほんの1時間前だった。 それはいきなりやってきた。 『…トイレ行ってくる』 「仁菜大丈夫かぁ!?なんか顔色悪くねぇ!?」 珠璃の声に返事をせずにふらふらと控え室を後にした。 「……仁菜でも緊張したりするのかなぁ?」 「するだろーよ。仁菜だって人間だぞ?」 「…でもぉ、普段の仁菜って表情あんまり出さないからぁ…」 「…“出さない”んじゃなくて“出せない”んだよ」 2人がそんな話をしていたとも知らずに。