「落ち込むなよ、スー」
「落ち込むよ、あたしはいつだって助けてもらってるのに。
何でそういうの気付けないのかなあ」
悲しくなって顔を伏せると、川さんがあたしの肩に優しく手をのせて、顔を上げると首を横に振っていた。
「大切だからこそ、スーの前では笑っていたんだと思う。
源は心配させたくなかったんだよ」
「そんな、あたしにはいつも何でも言えっていうのに」
「源はさ、本当に玲菜のことが好きなんだよ。
けど、何かあるのに隠されてるほうが辛いのにね」
川さんが悲しそうに目を伏せて、それは桜に対して抱いた気持ちなのだろうか、と不思議に思った。
桜もなにか大事なことを隠していたのだろうか。
「言いたくないことの一つや二つ、誰にだってあるだろう?」
言い返してやろうと思った。
あたしはゲンの彼女なんだし、聞く権利はある、って。二人で乗り越えればいいんだ、って。
なのに、何も言えなかった。
桜が今にも泣きそうな顔をして、顔を歪ませていたからだ。
川さんもそれを見て、同じように表情になった。

