本題から行きますけど、と屋上につくと切り出された。


「田上のことね?」

「ああ。
浅川さ、田上にやっぱ揺らいでるのか?」


イエスかノーかなんて、白黒はっきりした答えは、まだ出てない。


「・・・・・・ごめん。
私にもよく分からない」


「分からないって・・・・・・。
でも、少しはいいな、とか思ってるんでしょ?」


玲菜が私に歩み寄ってきた。


「そんなはっきり思ったことはない。
でも、あいつが話しかけてくれないのは、嫌だ」


朝練のことは、言えなかった。

今日はさすがに行けなかったのだが。


「浅川?
俺も玲菜も、お前を責めてるわけじゃない。
ただ、浅川の気持ちを、ちゃんと知りたいんだよ」


そこで玲菜は、うんうんと首を強く縦に振った。


「別に他の奴好きになっちゃいけないなんて、決まりはないんだぜ?
俺、素直にお前は頑張ってると思うよ。
桜を好きになることは、普通の倍は苦労するしな。
俺達が言いたいのは・・・・・・」


そこで一旦、言葉を切った。

二人は顔を見合わせ、源は大きく息を吸った。


「浅川が他の奴を好きになっても、俺達4人の友情関係は変わらない」