「…ふーん?俺も大っきらいだよ、麻友のこと」


麻友は悲しそうな顔をして、下を向いた。


「そ、そう!!お互い様ね!」


強がってるけど、今にも泣きそうな顔をしている。


「私も大っきらいよ…瞬のバカ……」


麻友は悲しそうに呟いた。
それを見た俺は胸がちくっと痛んだ。


別に俺は麻友のこと嫌いなんかじゃない。
むしろ大好きだ。



なのに、なんであんなコト言ったかって?



それはね……



「今日何の日か知ってる?」

「え…?今日はー…



4月になったばかりだから………あっ」




麻友は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。


「瞬のバカ!」


怒っているように見せたいのだろうが、
俺には麻友が喜んでいるように見える。

ほんと、素直じゃないよな。




俺は口角上げ、麻友に近づく。




「…今日はエイプリルフール、だろ?」







俺はもう1回、彼女にキスをした。







「今日は何の日?」/end