「…でも、それだけでゆうとは嫉妬するかな？―――…あたしに、だよ？」
悠太の目は笑っていた。
あたかも、
――――お前は何もわかってないなというような瞳で…。
「薫だから、だよ。」
「―――？」
――――ますます理解できない。
あたしの頭には数個のはてなが浮かんでいた。
それを見た悠太は腹を抱えて笑う。
「…そ、そんなに笑えることなの？悠太の言ってること、わかんないよっ！」
悠太は笑いながらも手を合わせて「悪い悪い」と謝った。
そして、何故か真面目な顔になって
「薫はそうだもんな。…昔から、そうだった。」
――――いきなり懐かしがられても…
あたしは悠太の話に置いてかれているような気がした。
「…だからさ、これからも薫のままでいてよ。」
「う…、うん。」
なんだかわけがわからないまま、返事をしてしまった。
――――なんか…、話がうまくまとまったようにみえるけど…
「悠斗の話はどうなったのっ？！」
「あ…」
――――…忘れてたな。
「あたしは謝るべきなの？…でも、どうやって？」
あたしは身を乗り出して悠太に答えを求める。
それでも悠太は平然と答える。
「大丈夫。絶対に悠斗から謝ってくるから。」
「…なんで、わかるの？」
悠太は答えるのに、一瞬迷っていた。
あたしはその理由もわからずに、ただ悠太の口が開かれるのを待っていた。
「―――…それは…」
と口を開き始めた瞬間―――。
