皿とフォークが交わる音だけがやけに大きく聞こえた。






「――――悠斗の話、聞かせて?」





「え?」





あたしが食べおわる直前、悠太が尋ねてきた。




悠太の皿を見ると、跡形もなくケーキが食べられていた。





あたしが皿に視線があるのがわかると悠太は「ごちそうさまでした」と言った。






「で、悠斗の話。悠斗がどうしたの?そういえば、俺が迎えに行った時もいなかったよね。」






「―――…うん。」






――――あたしは全部話した。




…柳田君のことだって、




…悠斗が言ったあの言葉も。





あたしは何度か涙を浮かべていたが、悠太はその度に「大丈夫だよ」と頭を撫でてくれた。






―――全部話し終わった後、悠太は手を顎にあてて考えていた。





「…悠斗、怒ってんのかな…?」





あたしの顔が余程心配な顔をしていたのか、悠太はそっとなだめるように言葉を紡いだ。




「大丈夫。悠斗はちょっと嫉妬しただけだから。」




「?」





悠太は何もかもを知っているみたいだ。






「―――…嫉妬?」






悠太は頷いて、こう続ける。





「薫が柳田君を異常に心配したから、悠斗は嫉妬したんだよ。」





「…異常って…。」






思えば、柳田君は転校生だからという理由で心配しすぎていたかもしれない…―――。