「ねぇ、俺たちに勝てるとでも思ってんの?」






「え、えぇっ!」





いつの間にかあたしを挟んで悠太と悠斗が走っていた。





悠太も悠斗も微笑んでいた。






「…薫って、本当に薫だよね。」




悠斗はあたしの頭をぽんぽんと軽く叩きながら言う。






「―――それ、どういう意味?」




あたしは悠斗を伺いながら尋ねた。







「なんでもないよな、悠斗。」





悠太は笑いながら顎を上げる。






「え、悠太と悠斗はわかってるからいいけど…、あたしはわかんないんだからね!」






「わかってるって…。」






―――いや、その返事は絶対わかってないよ!







あたしたちは走りながら帰路を辿る…―――。





それは、あたしたちが進むべき未来の道のように思えた。