チャイムの音…――――




誰か来たのかな?




「はーい!」



あたしが扉を開けたそこには…!



「ゆ、悠太っ?!」




いや、突然すぎるから!



「久しぶり、薫」


「久しぶりも何も…―――――」



そう言う前に悠太はあたしを抱き寄せた。




「…会いたかった」



あたしの耳もとで優しく呟く。



「あたしも…」




あなたの声であたしの心は満たされる。




「――――…というわけで」


「へ?」



否や、あたしは玄関の前に突き出された。




「彼女が俺のフィアンセです!」



えぇぇぇええっ?!



「――――この子が…、ですか?」



ノートとペンを持った女性が言った。



この人たちって、まさかマスコミ?



「そうです、俺のずっと会いたかった人です」



あれ?
待って?



なんで悠太あたしのマンション知ってんの?



「…だから私たちに訊いたのですか」



「はい、あなたたちならご存知かと」



「私たちはあなたの婚約者がいると知り、てっきり別の芸能人かと…」




――――婚約者っ?!