「…ありがとう、悠斗」



君が俺の名を呼ぶ。



――――…しかも、微笑んで。




その瞬間だけは俺だけに向けられた笑顔だって考えただけで、心が弾む。




―――――…こちらこそ、ありがとうな。





心の中でそう呟いた。





気がつけば、
涙腺の水たちはどこかに消えてしまっていた。