英介くんは漢字ミスの欄をトトトンと人差し指で叩いた。



………なんか、



――――…いや、なんか…



「ご、ごめんなさい…」




「え?なんで誤るの?」




こんな馬鹿に見せる答案じゃないです。



なのに興味と好奇心だけでのぞいてしまってごめんなさい。





「英介くんはさ、いつもこんなにとってるの?」



「え?」



英介くんの顔は『え、それが普通じゃないの?』という様子だった。




「――――何言ってんの?!」



後ろからけいがあたしに耳打ちした。



「英介くんは一学期全ての教科において満点だったのよ!」



―――――…どぅぇえ?!



声にならない叫びがあたしの心の中に響いた。




「つまり、―――…トップ、ってこと?」



けいはゆっくりと確信に近付けるが如く頷いた。




「え、英介くん…」



あたしは震えた手を英介くんの方に向ける。