――――…悠太には、一応報告した。



『そうか…』と残念がる様子もましてや嬉しがる雰囲気もなかった。




悠太はあたしのことなんて、どうでもいいって思っているのかもな。




――――…でも、仕方ないのかな?




そうならあたしが悠太を振り向かせられるように頑張ればいいんたよねっ!



そう!
弱きになっちゃダメなんだ!





毎日を自分で励ましながら自分を勇気づけた。



――――…そうこうしているうちに、期末考査も終わり(双子の助けで赤点は免れた)今日はちょうど一学期の終業式一週間前になった。





「あ、危なかったぁ…」




あたしは全身全霊でテストの点数を祈っていた。



「よかったね、薫」



「うん、ほんとによかったー」



フフフ、と笑う隣の席の英介くんを見て、少しだけあたしは恥ずかしさに首をうずめた。



「赤点なんて御免だもんな」


「うん…。ね、英介くんはどのくらいの点数?」



あたしは隣の机を覗いた。



「え、俺?」



英介くんは隠すことなく、むしろ机から両腕をどけた。




「?!」




…それは、あたしが見てはいけないものだった。




「…漢字を間違えちゃったんだよね。もう、それがなんかすごい悔しくてっ!」