「だから…。こんなに可愛くなったんだね」




左肩に掛かっていた髪を悠斗は優しく払った。



声はあたしを優しく包み込んだ。


…いや、

悠斗やっぱり変ですっ!



なんだろ…




「――――…ねぇ、薫。君の好きなヒトが俺であったらいいのにな、って強く願うよ…。」



あたしには聞こえなかった。


――――…悠斗が呟いた、告白の一言を。



もっと、あなたの話に耳を傾けていればよかったよね。



この呟きが聞こえていれば今のあたしたちは少しでも変わったんじゃないかな……?




この時のあたしはまだ、揺らいだ心があったんだ。