公園に着いた途端に英介くんは手を離し、あたしと相対するように向き合った。



あたしはそんな英介くんの態度を見ながら話を切り出そうとしていると



「…やっぱり、かな?」



英介くんが悲しく呟いたのをあたしは聞き逃さなかった。


「やっぱり?」



あたしの頭にはいくつものはてなマークが浮かんでいた。

そんなあたしを見て英介くんは優しく微笑む。




「自分の本当の気持ちに気付いたでしょ?」


「…」




「悠太君が、好きなんでしょ?」


――――…知ってたの?

――――…気付いてたの?



「なんで…」



切り出す内容を見事に指摘され、あたしはただ混乱するだけだった。


クスクスと笑う英介くんがいる。


「俺はね、体育大会の頃からそうかなー?って思ってたんだ」



「体育大会から…?」



「薫が悠太君を見つめるときの目は悔しいほどに女の目をしていたよ」



「…」




そっか、その頃から…。



あたしは英介くんに迷惑をかけていたんだね。