「話が、あるの」


英介くんは真面目な顔になり、うん、と一言言ってあたしを引き連れた。




「ど、どこへ?!」



あたしは戸惑いながら手に込められた強い痛みを感じた。


温かいのに…、震えてる?



「公園」



と呟いて、それ以上は何も言わなかった。



あ、


そこの公園って…



あたしたちが初めてキスしたとこだよね?



その後も、決まってその公園だったよね。路地じゃ恥ずかしいから、って言って二人で頬を赤らめながら笑ったね。



あたしたちはまたそこに向かおうとしているんだね。




引っ張られて見えた英介くんの背中は大きいのに、あたしが腕をまわせば届いてしまいそうになんだか淋しさが漂っていた。