――――本当だよ。




今度は心の中でそう言った。




「悠太」

後ろから声が聞こえた。


振り返ってみると、そこにはギターの慎司がいた。



「もう次の組が準備するから移動しろ、てさ」


親指を立てた状態で慎司は後ろを差した。


「あ、うん」




もう一度薫の方を向くと、柳田君と向かいあって話していた。



――――…そうだよな、普通。



俺は深いため息をついた。



薫は彼氏とか大切にしそうだもんな…。俺が告白したことなんか、あいつにとってはどうでもいい話かな?



俺は真上を向いてみた。




特に意味はないつもりだったが、視界はぼやけていた。――…俺はその理由に気付いて自虐的に笑ってやった。




――――…なんだよ、俺。悲しいのかよ。