『俺は、薫の幸せを第一に思っているから。』




この言葉が思い出される。



――――…誰だっけ?




こんなこと、言ってくれたの。



あたしはその日に微笑んでいた人を思い出す。






――――あ、悠太だ…。




あの瞳をもう一度見たいと思ってしまう。




――――…この気持ちは、何ですか?






あたしは押さえきれそうにないこの胸の叫びを両手でギュッと掴む。






「…ゆう…たぁ。」






不意に出た言葉は、何故かあの人の名前…――――。





大切だ、と思っているはずの彼ではない…。





自分は、驚きもしなかった。





まるで、もともと悠太に頼っていたような…、忘れられないような…。