―――――ファーストキス…、をした。
初めてのはずなのに、どこか懐かしく思ってしまう。
まるで、ずっと前から英介くんとしたことのあるような…。
――――…変な気分。
重ねた唇から、ずっと知っていたはずの英介くんの優しさを感じる。
包み込むように口付けされたあたしは今にも溶けてしまいそうで…。
英介の手があたしの頭を支える。
あたしを抱き締めながら、かつ、口付けを続ける…。
あたしはだんだん息苦しくなってきた。
――――キスって、息苦しくなるものなんだ…。
変に感心しながら、もう耐えられないと思って俯こうとした…が、
あたしを支えていた彼の手がそれをはばかる。
―――――…あぁ。そのためにねー…って、どうしよ!息できないじゃん!
苦しみを越えて…、ていい感じな言葉だけど越えたら待っているのは三途の川ですよ?!英介くん!
ファーストキスも嬉しいけど、それ以上にあたしを殺さないでください!
すると、思いが通じたのか、英介くんはゆっくりと離した。