手を繋いだまま、体育館に着いた。



他の人たちから冷やかしもあったが俺は気にしなかった。


もっとも、薫ちゃんは顔が赤かったけど…。



薫ちゃんが『恋人みたいだ』と言った時、不安になった。


薫ちゃんは俺を彼氏と見ていないのか?



そう思うと同時に少し怒りも覚えた。



俺はなんとか示したくて、無理矢理手を繋いでみた。


薫ちゃんは拒まずに繋いだままでいてくれたことに安堵する。



さらに、このままずっといたくて強く握ると握り返してくれた。



そこから、薫ちゃんは少しでも俺を好きでいてくれているのかな、と思った。