「―――…俺に向けてくれる笑顔が好き。」





と、真正面から言われた。



あまりにも、嘘偽りのない瞳で言われたのでこっちが恥ずかしくなってしまった。



「…ありがとう。」



なんて返せばよいのかわからなかったので、とりあえずお礼を言った。




英介くんは不思議そうな顔をしていたが、彼もお礼を言われると嬉しいみたいで笑ってくれた。




―――…『ありがとう』でよかったのかな?




ま、いっか。





「あ、もうここで平気だよっ!」


いつのまにか、あたしの家の近くの公園まで来ていた。



「そうなの?」



「うん、ありがとう!」




――――家までついていってもらって、親に見られたら後がうるさそうだもん…




「そっか、じゃあね。」



「バイバイ…。」



あたしたちは手を振って、別れた。




――――…ふぅ。



あたしは心の中で小さなため息をついた。