もう平気、と言ってあたしは英介くんの腕から離れた。
そしてまた、あたしたちは歩きだす。
「…そっか、悠斗が…。」
しみじみとしたあたしの声が帰路に響く。
「―――…こんな感じ、なのかな?」
「?」
はてなを浮かべた英介くんにあたしは微笑んだ。
「…あたしたち三人はさ、ずっと一緒だったの。どんな時だって一緒だった。でも…――――」
「…でも?」
――――その先が、出てこない。
言いたいことはわかっているのに。
「でもっ…、いつかは…っこんな風に別々…の…み、道を…―――いかなきゃっ、いけないんだねっ…―――。」
「…薫ちゃん。」
あたしは嗚咽混じりに言った。
でも、なんだかこんな自分が悔しくて、情けなかったから英介くんに笑顔をつくった。
「―――…あはっ、…そんなの、仕方ない、よね?知ってるんだけどな…。」

