柳田君は安心したようなため息をつく。
「よかった。俺、幸島さんといて本当につりあうのかな、って…。」
「つりあう?!むしろあたしが心配だよ!」
柳田君は少し間をおいて、顔を俯けながら呟いた。
「――――…幸島さん、かわいいから…。」
―――はぁ?
聞こえました。
正真正銘かっこいい人にかわいいとか言われると変に照れちゃうな。
あたしは顔が赤くなっていないかどうか確かめるように手を頬に当てた。
「…柳田君も、かっこいいよ。」
その言葉に柳田君は異常に反応した。
―――二回目なんだけど、ね?
てゆうか、柳田君以上にあたしがびっくり。
こんなこと、言うはずじゃなかったので…。
あたしたちは見つめ合った後、笑った。
なんだか面白くなってきたから…。
「これじゃ、きりないね。」
柳田君は後ろ髪をかいた。
「…だからさ、英介って呼んでよ。」
そうだ。その話を…。
柳田君の顔はあたしが“英介”と呼ぶのを待っていた。