「―――…わかんない。どうすればいいかわかんないから…、悠太と悠斗に相談したくて…。」






――――それはさ、うれしいけど…俺たちにとっては酷なことなんだよ、薫。





あえて、その言葉は言わなかった。



柳田に先を越された以上、今ヒントを与えるのはなんだか恥ずかしい。





「そういうのってさ…」




悠太は口を開いた。






「男の俺たちに、する?普通女にするべきでしょ。」





「…だって、悠太と悠斗には知っててもらった方がいいかな、って思ったんだもん。」






――――俺は、男として見られてないのかな?




ただの幼なじみとしか見てないのかな?






なんだか、切なくなる。





自分はずっと前から薫を女の子として一緒に過ごしてきた。




だからこそ、薫にだけは俺を男として…―――。







「俺は答えない。」





悠太は急に立ち上がった。





「それは、薫が決めることじゃん。…好きなら、付き合えばいいじゃんっ!」






そう言い放って、悠太は店を飛び出していった。




「―――悠太っ!」





薫は悠太が出ていった方を見つめていた。





――――悠太を止めなかったし、追いかけもしない…。





―――…もしかしたら、薫自身はすでに柳田と付き合う決心をしているのかもしれない。