「増大?」
「そう、増大だから元々の能力が無いと駄目なんだ。高露はあと念力とかテレポーテーションも見込みがある。少しづつ才能を延ばしていこう」
「…佳伊って凄いのか?」
「佳伊様の右に出るものは早々いないよ。頭脳もね。だから管理人と隼の代表なんだ」
柳が高露に教える。「へぇ〜〜」ちょっと尊敬の眼差しで佳伊を見る高露。
にっこりと佳伊は微笑んで「さ、莎羅ちゃんの所に行こう」

こうして3人は佳伊の部屋を出た。

「莎羅!!」
病室に入るなり、高露は莎羅を抱きしめる。
「どうだ?」柳が聞く。
「サードステージに入ってしまってますね。もう自力で歩くのは無理でしょう。DNAは少しお待ちください。」
「…そうか」
高露と莎羅を見る。
「なぁ」
と高露が沙耶に問いかける。
「どうしして目が赤くなるんだ?」
「まだそれも解明されていません。充血ではなく細胞の色自体が変色してしまってるんです。…そこまでは分かっていますが原因がまだ分かっていません」
高露は黙って聞いていた。
「そっか…」
莎羅の頭を撫でる。「莎羅、早くよくなれよ。ここ、日本一の所なんだって」
「…うん」少し苦しそうに莎羅が答えた。
沙耶に小声で佳伊が聞く。
「どれくらいもつ?」
沙耶は冷静な表情で「…3ヶ月ほどでしょうか……」
「そうか……」
佳伊は二人を見ながら爪をかんだ。