それでも、気持ちはどんどんと彼へ傾いていって。
お互いが本気になるのを止められなくなっていた。
そんな状況で彼の奥さんにばれて、奈央は動揺していた。
彼が傍からいなくなる。
本気で愛している彼を失うという現実を受け入れられない彼女の心が悲鳴を上げていた。
「彼、今日は奥さんと話し合ってる」
寂しく笑う奈央に、私は声を掛けることができず、ただ煙草を吸うだけだった。
ゲームオーバー
これは私の持論。
だけど・・・奈央は違う。
分かっていただけに、今の奈央を否定することしか言えないだろう自分の口を開くことができなかった。

