煙草を灰皿に押しつけると、グラスに残っていたアプリコットクーラーを喉に流し込む。


カランと氷が音を立て、空になったグラスを奈央に差し出した。



「昨日電話があって、今日は行けそうにないって言われたかな」



奈央は私からグラスを受け取ると、作りたてのXYZをコースターの上に置いた。



「奈央が会社やめてもうすぐ2年か」


「あはは。もうそんなになるね〜真央は相変わらずお局様?」


「相変わらずって失礼じゃない?まだ先輩いるし」


「でも同期って残ってないでしょ?」


「そうだね。最後の奈央がやめちゃったから」


「あの時はいろいろあったもんね」



ポテトチップスとチョコレートを入れたカゴをグラスの横に置き、奈央はフッと笑った。