「えっ?由紀ちゃん?」 あわてて後を追いかけると、由紀ちゃんは立ち止り振り返る。 少し困ったような顔をしていて。 「さっきはありがとうございました。ホント大丈夫です。ただ電車に乗ると人に酔いそうなんでタクシーで帰ります」 ピョコンと頭を下げると、そのまま走る様にタクシー乗り場のある方向へと走って行った。 「フゥ」 出たのは溜め息。 修ちゃんに遅くなると言った手前、時間を見るとまだ23時半。 「よし!」 大きく頷くと、私は由紀ちゃんの向かった方向へ進んだ。