「『俺は片瀬さん。俺の理想が服着て歩いてる』って」
「・・・佐々木さんって趣味悪い・・・」
思ったことが口に出たとたん、高橋さんは爆笑していた。
それを尻目に残りのカフェオーレを飲むと、少し前にあったゴミ箱に捨てようと高橋さんを置いて歩きだしていた。
「やっぱ片瀬さんって面白い」
後ろからついてきた高橋さんは笑いながら眼もとの涙を親指で拭っていて。
「だって、こんなんだよ?」
振り返って高橋さんを少し睨むように見ると、急に真面目な顔をした高橋さんに
「でも、佐々木が片瀬さんのファンっていうの分かる気がする」
そう呟かれていた。

