「わわわ!ごめん!ほんと大丈夫?」
両手を振ってあたふたしている高橋さんを、しゃがんだまま顔だけ上げて少しキツイ視線を送る。
彼も由紀ちゃんと同じように尻尾があれば・・・
「地面についてる」
それくらいばつの悪そうな顔をして、一生懸命心配してくれる高橋さんに、今度は少しだけ眼を細めて笑いかける。
「運動しないとなぁ」
少し息が整ったんでゆっくり立ち上がると、そのまま背伸びをして私より少し上にある頭を軽くはたく。
「若くないんだから、無理させないで」
もう怒ってないと笑顔で言うと、高橋さんは「よかった〜」と地面にしゃがみ込んだ。
「でも何で急に走り出したの?」

