高橋さんは確か佐々木さんの同期で、同じ中途採用組だから私より2歳年上だったはず。
日頃鍛えているのか、足取り軽く私の腕を掴みながら走っている。
「ちょ・・・待って・・・苦・・・しい」
ゼイゼイ言いながら、高橋さんの手を振り切ろうと腕を上げる。
「あっごめん。片瀬さん大丈夫?」
息も切らさず私を振り返った高橋さんはやっと立ち止まり、左手で額にかかる前髪をかきあげた。
両膝に手を置いて、はぁはぁと息を整える。
「ヒ・・・ヒールだし、鞄・・・持ってる・・・し、運動してないから」
疲れた〜と思わずしゃがみ込んで膝に顔を埋める。

