「ホントにお綺麗です。今日はおめでとうございます」 メイクボックスを片付けるお姉さんに何も言えずにいると 「ではお父様もご一緒に移動しますね」 介添えのお姉さんが声を掛けてきた。 彼の姿は隣になくて。 介添えのお姉さんが差し出した手を掴むとゆっくり立ち上がる。 私達の後ろを父がついてきていて。 控室から移動した時の重い足取りはそこにはなかった。