「お父さん・・・」 涼・・・一 父と彼が立っていて、父は無言で彼の肩を押すと、少し躊躇った後真っ直ぐ私の元へ歩いてくる。 信じられない光景にただ目を瞠っていた。 「真央」 もう二度と見られないと思っていた彼の笑顔に、ただ嗚咽が漏れるだけで。 「真央」 愛してる・・・ 私は母から離れると、彼の胸へ飛び込んでいた。 涙が枯れ果て、少し落ち着いた私に母は一言聞いてきた。 「佐々木さん・・・涼一君となら幸せになれる?」 母からの問いかけに、私はもう幸せになってると答えていた。